yutaka Blog

Sunday, September 03, 2006

落日燃ゆ

▼この本を読みました。
落日燃ゆ 城山三郎 昭和の戦争文学 第五巻落日燃ゆ 城山三郎 昭和の戦争文学 第五巻
城山 三郎

角川書店 2005-10-22
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東京裁判で絞首刑を宣告された唯一の文官・広田弘毅の物語。
最近、東条英機の遺族と広田弘毅の遺族の靖国神社に対する気持ちの違いをクローズアップした放送がどっかのテレビであったけど、この本を読むと広田の遺族の気持ちが良く分かる。
さらにあの時代、実は必ずしも「開戦やむなし」の状態ではなく、外交交渉での問題解決も十分ありえたこと、外務省の外交努力を軍部が潰しまくったことなど、今まであんまり知らなかったことが見えてくる。
(国際連盟脱退は日本にとって全く決定的なissueではなかったことなんかも)
瀬島龍三が「上手くやってれば今も満州に旅券なしで行けていた」と言ったのも頷ける。
この言葉は全く不謹慎なものでもなんでもなく、その当時、満州国というのは苦々しい思いを持ってた国があったものの、世界的には一つの潮流として黙認されてたことなんだとも思った。
日本は戦前と戦後が歴史的に完全に分断されてる気がするけど、そのことは日本が抱える問題の一つではないかと思う今日この頃。

最近よく「事後法の裁判」だと言われる東京裁判に関しても基本的な知識が入りました。

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